wave best10

誰も得しないノイズ的な情報こそインターネットにあるべきだと思うので、ただ書きたい気持ちで2017年リリースの良かったwaveを10曲書きます。
無料でも聴けるけど、売ってる曲は良かったら買ってな!


・Deadcrow - Lunar Escape (TerrorhythmのコンピWavepool2より)
https://terrorhythm.bandcamp.com/track/lunar-escape
自分がwaveを好きになるきっかけの1人のDeadcrowの、特徴的なダークなゲーム的ファンタジーさから、もっとスケールが広がりSF的になった一曲…タイトルからじゃねえかよ!ってのも勿論あるけども、展開のメリハリがあることに新しさを感じました。冗長でぼんやりが特徴的なwaveが一般的に多いなかストーリーを感じさせる、曲としての強みをもった作品だと思いました。


・Deadcrow -Viper(EP Light Trailsより)
https://deadcrow.bandcamp.com/track/viper
Deadcrowはいつも幻想的で冗長。
Lunar Escapeよりもむしろこの曲のほうがこれまで作っていた上記の彼の音楽らしさが出ているように思います。
この曲というかね、この曲も大好きなんですけど、もう彼自体が今年は最高!
正しい時系列は分からないけどリリースの順で考えていくと昨年のEPのNight Wonder、色々リミックスがあり、今年のLight Trails、Falling、Yawn、そしてなぜかぶち上がりダンスミュージックVery rare、さらにLuner Escapeがあり…と考えるとまじ頂点!とファンには大興奮できる流れがある。幅が広いように見えてもかなりの偏りを感じる、もともと何を聴いていたひとなのか知りたいです。


・Sorsari - Luna(wavemovbのコンピwave 003より)
https://wavemob.bandcamp.com/track/luna
壮大で何らかのサウンドトラックとしてもいけそうなwaveといえばSorsariで間違いない、気がする。コンセプチュアルでアバンギャルドに走らず美しい。質が高く完成されている音楽。
この曲も、無機的な音なのに妙に柔らかみがあって、”月”なんてありがち(現にdeadcrowも…)だけど夜にほのかに暖かく光る、自分らを見ているかのような丸くて大きいそれを想像させる曲に仕上がっていると思います。


・nvrmore - Cassiopea(wavemovbのコンピwave 003より)
https://wavemob.bandcamp.com/track/cassiopea
waveコンピのなかの、音数の少ない非常に異質な一曲。でもコンピの最後を締めるにふさわしく、とてもロマンチックで叙情的。無機的な音のみでどっぷりと感情を揺るがそうとするのがwaveだと個人的には思ってるんだけど、そんな人工物としての良さを説明してくれています。


・Sacrify - Be True(TerrorhythmのコンピWavepool2より)
https://terrorhythm.bandcamp.com/track/be-true
こんな大胆に声のサンプリング使ってwaveにしていいんだって衝撃の曲でした。正直粗い作りだとは思うけどこの思い切りの良さ、私は好きです(おっと、そもそも粗い曲大好物だった!)。
声を前面に出してそれ以外はざっくりシンプルに仕上げているところにセンスあるなあとうなってしまいます。
他にどんな曲を作っているのかかなり気になります。


・Five Suns & Fyoomz - Descend(TerrorhythmのコンピWavepool2より)
https://terrorhythm.bandcamp.com/track/descend
最初のほうだけでかなり良質なきれーなwaveなのにそれで終わらず、なぜか後半から急にダークになってそれがおかしくて頼もしい。このぶった切り展開がgrimeとかのbass music勢でない感じで、おたくっぽくてすごい好きです。
単体でもいい曲を作っている2人なんだけど、この曲はすごいミラクル起こってます。


・KYO - S14(TerrorhythmのコンピWavepool2より)
https://terrorhythm.bandcamp.com/track/s14
wave最重要人物だと思っているUKのKYO、前からある曲だけどようやく今年正式にリリースされたのでここに書いちゃう。
こんなに意味を感じさせなくて美しい曲あるの?と特に意味のある言葉が出てこないほどにこの曲に耽溺している。
長々と同じことを繰り返して、大きな展開もなく、ただただ半永久的に寄せては返す波、まさにwave…。
そういうwaveとして成り立っているのは彼ぐらいしかみつけられてない。異能。
S14て車?


・KYO - INSIDE
https://soundcloud.com/kyo_uk/inside
KYOの曲が好きすぎるのでとりあえず彼のセンスが出ているだろう一曲を。
やたらシリアスで大げさでださくて好きっと思ってたら、元ネタがエンヤと知って笑った(しかもまんま)。なんというか、元の曲のエッセンスを残すどころか過剰な方向にもってくところがこのひとらしい。
この勢いで早くえぐいwaveアルバム出してほしい。


・Kareful & LTHL - Fractals
https://liquidritual.bandcamp.com/track/fractals
変ないいかたをしてしまうけども、DeadcrowのLunar Escapeが大きいならこちらはいい意味でスケールが小さく、きれいにまとまった優等生的Waveだと思う。曲の入りあたりが最もこの曲の盛り上がる部分で半分よりちょい前まで聴いたらこの曲のおいしいとこだいたい味わえちゃうけれども、全部聴いたら意味が分かるというか(なんで毎度変ないいかたになってしまうんだろう)、最後まで聴いてこその気持ち良さがあるのでちゃんと全部聴いてください。


・Tyler - Touching
https://liquidritual.bandcamp.com/track/touching
wave関連のネットラジオかmixかで聴いてとても光ってた曲。trapやfuture beatのほうに近くて、今のwaveの主流らしいというかLiquid ritualのリリースらしさがある。waveといえば、といって今これをあげるのは正しいことだと思う。
いろんなサンプルの配置がここってとこにあって、丁寧な仕事を感じます。


順不同で、面白かった・壮絶に聴きかえした・これ誰のだ!とピンときたもので絞り込みました。
sound cloudやband campにもっとwaveあると思うけど、何にせよwavepool 2のレベルの高さ、面白さが群を抜いている。誰だよってひとばかりなのに、どれもこれも良質。
このアルバムの中のアーティスト1人でも好きなら、買ってみるとますますwaveを好きになると思う。


あまりwaveって何だろう、という話になってくると面白い曲は出てこなくなってしまうと思うので、このまま雑に進んでいってほしい。waveを探していて、grime、trap、experimental、ambient、witchhouse、darkwave、electronic、future beat、vaporwaveなどのタグ付けを見た。そう、それらを少しずつ飲み込んでゆらゆらと波のように変化していくものがwaveであり、今後は別のものになっていくのかもしれない。
この感じで適当にwaveが広がって、いろんなひとに手を付けてもらいたい。
あととにかくKYOがどうしようもなく好きなので、アルバムを待っています。Plastician先生がRinsefmで何曲もかけてた印象があるので、絶対にお気に入りだと思ってるよおれは!Terroryhthmでリリースお願いします!