2019年リリースされたすばらしい音源10個以上
ここ2-3年はwavewaveゆうてwaveベスト10を書いたりしていたんですが
今年はwaveを漁る体力が無くて、本能のままに聴き続けた音源・ちょっとあとでもいいから生きているうちに聴いてねという今年リリースの好きな音源を10個以上書きます。10におさまらなかった。
一応私もDJとしてfinedayに参加しているので、それなりにおもしろくいい並びになっていると自負はありますのでぜひ。アルファベットとあいうえお順。ジャンルばらばら。では、お聴きください。
(ちなみにwaveをなんとなく知ってるひとは、え?あんなひょろっとした音楽を漁る体力?みたいに思うでしょ。いや、そこじゃなくて。waveというのはクラブミュージック、ベースミュージックの部類ではあるんですがメジャーなジャンルではないので情報が表に出てきづらく、こういっちゃなんだけどそういい曲にぽんぽんと巡り会えないので、ひょろくて自分の好きでない音楽を延々と聴き続ける羽目になるわけで…元気でないとやってられません。)
・Anton Belov 「Piano Works Ⅱ」
https://antonbelov.bandcamp.com/album/piano-works-ii
とてもやさしい、ピアノ中心に作られたインストゥルメンタル。音色がやわらかで聴きやすく、そして少しずつ展開があるので音楽に集中できる。心を落ち着かせたいときによく聴いてました。これも含め、彼の作品は無条件に安心させてくれるおうちのベッドみたいな存在です。
・Lealani 「Fantastic Planet」
https://open.spotify.com/album/2ynY16isYSUF38hLSbHuHL
絶妙なバランス感を感じさせる、シンセと脱け感のある歌の組み合わせ。ポップだけどうるさくなく、感覚だけで作っていないしっかりとした規律のようなものを感じます。すんごく楽しい!という感じでもないのにいつのまにか耳をもってかれてあっという間に聴き終えてしまう、この先も楽しみなデビューアルバム。
・NET GALA 「re:FLEX*ion」
https://nbdknw.bandcamp.com/album/re-flex-ion
今年ナンバーワン度肝抜かれたクラブミュージック。もうすんごいかっこいい。とてもシンプル、大胆で特徴のあるメロディアスさにびっくりしました。こんなの聴いたことない。このアルバム内の曲「Quarrel」がクラブでかかってたらもう大興奮して踊りまくります。
・Swimful 「Folding Knives」
https://svbkvlt.bandcamp.com/album/folding-knives
downstateなどwaveのアーティストとも親交のあるSwimful。そういう面からつい見てしまいますが(中国のエクスペリメンタル、アンビエント〜waveの流れは確実にある。Dirty Kや暗号零などいるし)いい意味でそういったジャンルのどれともいいがたく気持ちいい曲ばかりでした。
・Yikii 「Flower’s Grave・花之墓」 https://genome666mbp.bandcamp.com/album/gnm015-yikii-flowers-grave
今年一番聴いたかもしれない。インダストリアル、エクスペリメンタル+ウィスパーボイスという、好きなひとにはど真ん中の組み合わせ。ついてこれるひとしか寄せ付けない感じの振り切り方がいいです。安定のgenome666mbpとか思ってしまいます…。曲名もいちいち最高。
・VAMPIRE✞HUNTER™ 「Ill,」
(音源に関するページが現在見当たらずなのでみなさんライブかご本人へご連絡を。物販で買いました。)
最近はKLONNSのベーシストとしても活躍する剤電さんのソロプロジェクト。8-90年代あたりの日本のパンク〜V系の系譜にあるというよな耽美な作品。うっとりしてしまう素敵な声に重なる大げさなエフェクトとアンダーグラウンドな雰囲気たっぷりの粗さの感じられるダークなトラック、最高。剤電さんSNSから感じられるセンスが好きなら買って間違いないと思います。
・MC ビル風 「July Tape」
https://mcbirukaze.bandcamp.com/album/july-tape
ヒップホップかつパンク、こんな熱いライブするひとほかにいるか?というスーパーかっこいいラッパーのMC ビル風さん。前回のCD-R作品は思春期の残り香を削って手でこねてまとめたような、人間味と汗といろんなものが混ざったような少し気恥ずかしくて切ない素敵な1枚でしたが、今回はそれよりもぐっと大人になった苦い塩気と覚悟を感じるのです…。そして、そういったエモーショナルな面ももちろん最高なんですが、ビートも耳に馴染むいい曲ばかり。私は音楽、そしてヒップホップに全然詳しくなくてなんていえばいいのか分からないのですが、本物だって思います。
・ケケケッ 「スリラーショック EP」
https://kekeke-jpn.bandcamp.com
ホラー漫画家マニア*13人がホラー作品とその愛をラップしまくるめちゃくちゃ面白い作品。ヒップホップが好きなのも分かる、ちょっとベタでキャッチーな感じのフロウ、トラックもいいですね。好きなものへの愛が詰まった、聴いてて楽しくなる以外にないすごく好きな作品です(CD買えてうれしい。)
・彩衣 Ms.Machine 「Dröm Sött」
https://sai-ms-machine.tumblr.com/
Ms.Machineのボーカルsaiさんのソロ作品。Ms.Machineの強さを感じさせる雰囲気と一変、とてもかわいらしくプライベートな内容でどきどきしてしまうし、あたたかくて泣いてしまいそうになる2曲。こういう作品があるから人間すき、と思える。
・田島ハルコ 「kawaiiresist」
https://harukotajima.bandcamp.com/album/kawaiiresist
「ちふれgang」まじかっこいいやべーって思って、そのあとにアルバム買って丸々聴いて、もうほんとアルバム通しで「それな」の連続で泣ける1枚。どれもこれも美しいリリックでいっぱいなんだけど「TikTok Angels」の学校のクラスになじめない(たぶんケッとか思ってるだろう)子がクラスの子のTikTokに映り込んじゃって…っていうストーリー仕立ての、エモいしかねえだろっていう曲にじわじわやられてます。この曲で一気に、中高生の頃のどうしようもなく情けなくてかわいそうな気持ちが蘇ってきて少し胸が痛い。でもその頃含めて今の最高な私なんだよなっ!と思うことができる、唯一無二のアルバムです。
・No No No 「Raw Live Fast Tape」
https://gerpfastkolektif.bandcamp.com/album/raw-live-fast-tape
スリーピースのパンクバンドNo No Noのライブ音源。バンド名からしてめちゃくちゃかっこいいんですが、その名を裏切らない(音源のタイトルも)ロー、速い、かっこいい!パンクってこれでしょって感じしかない。すごくシンプルな音に聴こえるんだけど、こんだけ速くてダレが無くパワーを感じさせるって、相当なことだと思います。
http://obakekoubou.buyshop.jp/
https://www.youtube.com/watch?v=CGYoEkRZeHw
ライブの衝撃的な体験から絶対に音源を聴いてみたいと思ったhotaruさん。フィールドレコーディングをしたカセットや、シンバルや声などを使った即興(だと思う)演奏の緊張感のあるライブとは違ってアルバムは穏やかな流れなんだけど、寂しげで少し張り詰めた雰囲気が心地よい音楽。音としっかり向き合っているアーティストなのだなと感じました。
*1:2019/12/27訂正