20130815

8月15日
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前日遊んだので疲れてしまいひたすら寝てました。
そのかわりに物について話をしますね。
物について書くといえばベタかもしれませんが、「ライ麦畑でつかまえて」のホールデンが弟のグローブについて書くことを思い出します。
あと物について書いてるといえば、澁澤龍彦森茉莉が好きです。彼らの物についての文章を読んでいると、目の前にそれがあって、自分もそれを愛でているかのようにうっとりしてしまうんですね。ああ〜好きだから感情移入し過ぎてしまっている…。
しかし私が一番入り込んでしまうのは、嶽本野ばらの、しつこいぐらいの服の描写です。Vivienne WestwoodKEITA MARUYAMAYohji Yamamoto、MILK、Jane Marple、Emily Temple cuteなど、どのブランドも方向性は違えどデコラティブであったり個性が強いので特徴を描きやすくはあるのですが、単純に服の形に始まりそのもののイメージが表情豊かに言葉で表現されていて、その像が鮮明に頭に浮かぶんです。もちろん私は、服の知識もあるしある程度はブランドイメージをつかんでいるのでその作業が楽に行えるのでしょう。それでも彼の文章の、この服素敵でしょ最高でしょって声が聴こえてくるような濃厚な描写は、そのものを見たことない者にすらそれらが与える印象を喚起させる力を感じます。


最近の村上春樹先生の著作ははっきりいって駄作続きで読まなくても、むしろ読まないほうがくっそこんなん読んじまったってストレスが無い分健康に生きていけるしまじで読むだけ無駄だと思うんですが、ていうか昔のですら必要にかられなければ(たとえば受験の問題に出てくるとか)全く読まなくて良いと思うんですが、あ、ここまで書くとけなしているように思うでしょ?半分は間違いなくけなしてるけど、すっごく好きなんすよね春樹。最近のはほんと最悪だけど。
あまり好きじゃない作品のひとつ「海辺のカフカ」で、主人公が旅の道中にお世話になる女性の服の描写がほんっと適当で、そもそも服について書いているわけではなく「こんな服を着こなす素敵な女性」について書いているので服に気を取られず良いのかもしれないけど、その服によって女性は素敵に思えないんですねつかゲロ吐きそうなんですよね。おっといい過ぎた!(愛ゆえに!)
いやしかし、あまりに「女性が着ているべき服のイメージ」を描いているような気がして。
春樹さん、エッセイ集「日出る国の工場」でCOMME des GARÇONSの縫製工場を訪ねたり、小説内で服についての描写も多く(BROOKS BROTHERSとかね)、品質の高い、しっかりと作られた服を知っていると思うんです。読んでいてそれなりにこだわりをもっていることも分かる。
彼の作中では、この生きかたを構成するためにふさわしいアイテムのひとつ、というような価値観で選ばれているように思います。


まああれっすよねー、服のこと好きじゃなきゃそりゃちゃんと書かないよねー。にしても!小説内で描かれる物が、作品を象徴することにもなるわけだし!
あー、なんか焦点がぶれてますね…。最終的に春樹の悪口だしね。
何がいいたいかって、物を執拗に描いた文章、好きです。はい、おしまい。許して。