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新宿の花園神社の盆踊り大会に行った。
思えば、これまで地元民しか来ない小さなお祭りの盆踊りくらいしか見たことがなかった。
生ぬるい、湿気のこもった空気のなかぎゅうぎゅうと立ち並ぶ露店と音頭が響き渡る盆踊り会場は夏祭りという言葉がぴったりで、それだけで来てよかったと思った。おなかがすいていたので一通り露店を眺めたあと焼きそばを買った。店のお兄さんが透明パックから溢れるほど大盛りによそってくれる。テキパキと客をあしらうおばさまとともに商売魂を見た。
盆踊りは大会と名がつくように、踊っているなかから先生が10人選び、ステージへあげてさらに踊りそのなかから優勝を選ぶようだった。
ステージに上げられたのは浴衣の若年から老年の女性、カジュアルな格好の青年、ワイシャツの男性など様々。その一曲、私は焼きそばをむさぼりながら眺めていた。みんな踊るのがうまいので感心した。ステージのまわりのひとも、しっかりできている。
司会のひとが少しまぬけな調子で先生に優勝のひとを選んで下さいと促すと、先生から珠玉のお言葉が。
「みなさん優勝で〜す!」
最高。既にいい雰囲気がよけいにあったまった気がした。
踊っていたnicoleさんと合流して「踊らないんですか!?」といわれ、ちょっと恥ずかしがってたのだけどそれこそ恥ずかしいような思いがして踊りの輪にそっと加わった。
生演奏、生歌という豪華な各地の音頭が流れ、見よう見まねで踊るも難しい。新宿音頭に山形?音頭、青森もあったか、ぴょんぴょん跳ねる振付があったりして、思っていたよりもバリエーションがずっと豊か。踊ってると自然と陽気な気分になってくる、それに、いつのまにか没頭している。
私が踊り始めてから4曲目ぐらいの河内音頭が始まってすぐ雨が降り出し一瞬で勢いが増したので、踊りの輪から抜けた。曲の演奏も踊りもとまらず結構たくさんのひとたちが一曲しっかり踊り切っていたのは、途中でとめるのは野暮とか、しきたりとかあるのか分からないけどなんかかっこよかった。
自分の踊りの出来はひどいもんだったけど楽しかった。自然に輪が広がっていく感じや踊っていると一曲があっという間とか、ここに来なければ知らなかった。
ライブとかで自由に、適当に踊ったりはしていたけど型通りに踊ることはおそらく学校の行事以来はぱったりで、とても新鮮だった。それっぽい動きをしてみたら勝手に足が動いたりして、身体に気持ち良いタイミングで動ける振付のように思えた。
勘の鈍さがひびきなかなかうまくできず少し悔しかったのでまた踊りたい。踊りましょう。