日記

午前4時半頃に目を覚ます理由は大体腹痛で、2012年の12月のある日もそうだった。
その日、私は新宿で綺麗に泣くことも器用に甘えることもできず八つ当たりしただけで帰って後悔しふて寝をして、起きたらお腹が痛くて、イブAを飲み効くのを待った。
4年近く経って今日も私は新宿にいて、久々に行ったオカダヤの生地館でわくわくしながら布を選びその後IRAでイ・ランさんのライブを観て、帰りはryugo ishidaを聴き口ずさむふりをしながら、筒状に巻いてもらった布をときどき振り回しイキった気持ちで帰った。そして化粧を落とさず寝てしまい、また午前4時半に腹痛で目覚める。またイブAを飲んでる。


2013年の4月の金曜日のある日は、代官山UNITで夜を過ごした。UNITは海外アーティストで盛り上がってたけどあまり気分にはまらなくてsaloonへ下り、grimedubstep、UKGを中心にかけるDJで数人しか客のいないフロアにて、飲めないくせにビール片手に踊った。すぐに効くアルコールでふらふらになっていたら「誰かの知り合い?」って聞かれて、クラブにいる女は誰かの付き添いなんだなお前の頭のなかでは、と即イラッときて無視して踊り続けた。冷静になれば、その日のメインを観ずガラガラのフロアにいたらそう思われて仕方ない気もする。grimeを聴きたかったのっ!その一言がいえたら。クラブで自分が女だと意識し過ぎなければ。今夜は絶対に遊ぶんだって強迫じみた心持ちで駆け込んだのに、音楽も雰囲気もしっくりこなくて胸に居座るだだすべりの期待をビールでやり過ごそうとしたせいで、何だか上手くやれない。
午前4時、腰が重くて座った真っ赤になってるトイレと身体から出る管を見て来なければ良かったと空しくなった。手術数日後で閉じてない傷だか生理だかってだけ、血の多さに意味はないのに視覚的な印象の強さが疲労感をことさら呼んだ。フロアに戻ったら眠気がどっと襲ってきて、意識がはっきりしたときにはyear-end tax adjustmentがかかって終わった。


イ・ランさんは話せばファニーで、歌うととても強い雰囲気になる。前に聴いたことのある曲を思っていた以上に覚えていて、すごく良くて驚いた。今回のチェロとギターのセットが特に良かったのかもしれない。イ・ランさんの厚みのある声とチェロのしなやかな音がはまっていた。
ライブの最後に、yamagata tweaksterのひとが好きで、でも彼は結婚してこどももできてギブアップした、と笑って話したあとのカバーはとてもかっこよかった。i wanna sex、i'm walking and walking、私はセックスしたい、でも私は歩いて歩く、そんな歌詞だった。
イ・ランさんみたいに素敵な女性がいると、自分も女性に生まれて良かったと思う。この日観に来ていた知人の女性も素敵なひとたちで、やはり嬉しい。
PMSで悩んだり生理がきて面倒だと思うたび、自分は女なんだと意識して未だに戸惑う。4年前も3年半前も、そして今も相変わらずこうやって文章にするくらいに揺さぶられているけど、それで良いんだと思う。全部が私だから、どの日も、どれも無駄じゃない。
今夜は特に、良い歌が聴けた良い時間だった。